いけいけ、うぉりゃー。
(「コスモウォーリアー零」全話解説)
※火龍の画像がないからアルカディア号でかんべんして。
サブタイトル
あらすじ
感 想
第1話
大いなる旅立ち
(2001.07.07)
時は30世紀。地球は機械化人の侵略に屈した。地球連邦の艦隊指令だったウォーリアス零は、家族や地球を守れなかったことを苦に除隊を決意する。ちょうどその時、機械化人の輸送船が謎の戦艦の襲撃を受ける。旧型艦「カゲロウ」で出撃する零。謎の戦艦の名前は「デスシャドウ号」。若き日のハーロックが駆る艦だ。零はハーロックに一騎打ちを挑むが、格の違いを見せ付けられただけだった。
地球連邦政府は零にハーロック討伐を命じる。零は前大戦の最終兵器と言われていた戦艦「火龍」の使用を条件に、討伐を引き受けるのだった。
いよいよ始まった19年ぶりのTVシリーズ。2000年に発売されたゲームを原作にしながらも、設定を一新。
まず、オープニングにビックリ。中島みゆきの「時代」のインスト。演奏は、ウワサのバイオリンユニット、 「Geminiart High Quality」。これがなかなか心地よい。「古きよき松本アニメ」のノスタルジックな雰囲気がよく出ている。彼女達は 劇伴もそのまま担当しているが、曲が流れるシーンが少ないため、今のところ耳に残る曲は無い。
冒頭、地球が陥落する際の稚拙な演出にいきなり不安を感じる。しかしキャラ作画や声優のノリはいい感じだ。この画質でも、キャラが活き活きしていれば物語を引っ張っていけるだろう。
ハーロックがメチャクチャカッコイイ。乗っているのがアルカディア号ではなく、デスシャドウ号というのもポイント高い。3代目ハーロック声優(石原裕次郎を除く)の竹本英史氏もシブくて好感が持てる。
ラスト付近の唐突すぎる副長のシャワーシーンは、零達でなくてもビックリするだろう。廊下沿いの扉を開けたらいきなり浴室というのは凄い構造の船だ。しかもロックかけてないんだから、悪いのは副長の方だ。
第2話
マリーナの波紋
(2001.07.14)
戦艦「火龍」で出航した零は、新たに就任した若き女性副長マリーネ・沖に疑問を持つ。エリート街道を進んでいたにもかかわらず、昇進を蹴ってこの艦に乗り込んだのは何故なのか? しかも彼女は、零の死んだ女房と瓜二つ。
艦内を巡検するマリーネ。各部署では機械化人が冷遇されていた。そのことを零に報告するマリーネ。「機械に休息なんかいらない」という航海長に「同じ船に乗り込んだ仲間を侮辱する奴は許さない!」と一喝する零。その時、艦内で機械化人による暴動が起きる。止めに入ったマリーネに流れ弾が当たる。駆け寄り、抱き起こす零。しかしマリーネの傷口から流れた血は一瞬で消え去る。いったい彼女は何者なのか?
地球を支配しているはずの機械化人が、火龍の中では差別を受けている。そして「機械化人でも差別は許さない」という展開。なにかとても違和感を感じる。凶悪事件の耐えない社会情勢を受けて、最近では「仮面ライダー」も「ウルトラマン」も非暴力を訴えている。その時代の流れに乗ったのだろうか? しかし、これでは「999」の頃から侵略者として描かれてきた機械化人のイメージが台無しだ。「999」には良いい機械化人も登場したが、基本的に機械化人は人間の魂をエネルギー源にしているという設定を忘れてはならないと思う。これでは冒頭に敗戦したという展開が活きてこないのではないだろうか? ここで描くべきは機械化人の圧政だと思う。
それにしても、副長のシャワーシーンは毎回続くのであろうか?
第3話
火龍の炎
(2001.07.21)
航海を続けながら厳しい訓練を続ける戦艦火龍。その火龍を追う謎の影があった。
ある日火龍は、機械化人のステーションからの救難信号を受ける。地球革命軍と名乗る海賊が機械化人に制裁を加えている、というのだ。ステーションを守ろうとする零に海賊は、「機械化人が地球人にしたことを忘れたのか」と問う。海賊は火龍に攻撃を開始。あくまで、同じ人間である海賊を殺さずに済まそうとする零だが、「攻撃しないとこちらがやられる」と、焦った航海長がセントエルモ砲を作動させてしまう。一度作動したシステムを止める術はなく、仕方なくセントエルモ砲を撃つ零。爆発した海賊の戦艦から生命反応を調べる火龍。調査結果は「最初から生命反応はなかった」とのこと。そう、海賊も実は機械化人だったのだ。零は「誰かが俺達を試しているのか?」と呟くのだった。
今回はデジタルアニメの光と影があからさまに出た回だった。
予想通り、早速クオリティが激減。キャラ作画は乱れ、まるで、用意されたキャラ設定画を再現できなかった70年代のアニメのよう。動画も部分部分でネット配信の自主製作アニメ並に低下。
しかし、メカ作画はデジタルの良さが出ていた。主砲などの多角的な動きや、戦艦の反転などは、手描きでは困難を極めるが、3DCGならそこら辺はお手の物。なかなか見物だった。
今回、ストーリー的には零達の任務の理不尽さが出ていて良かったのだが、なにぶん作画がひどすぎて、そちらに気を取られがちだった。ちなみに副長の連続シャワーシーンは2でストップした。一安心。
第4話
戦士グレネイダーの魂
(2001.07.28)
火龍を追随する謎の戦艦。一瞬姿を現すも、すぐにレーダーから消えてしまう。
前回の戦闘で傷ついた火龍は修理ため、惑星エルアラメインに降り立つ。そこには機械化人たちに一人で抵抗している傭兵ヘヴィー・グレネイダーという男が居た。グレネイダーに興味を持った零は、一人彼に会いに行くのだった。一戦を交え、お互いの腕を認め会う零とグレネイダー。
実はグレネイダーの雇い主はとっくに死んでしまっていたのだが、雇い主の子供たちを守るために彼は戦い続けていた。「契約が切れていても戦いが好きだからここに残っている」と、子供たちに嘯いて。
そんなグレネイダーに反発して、子供たちは機械化人に降伏し、アジトの位置を通報する。機械化人は降伏を無視してアジトに爆撃を開始。グレネイダーと零は協力して子供達を救出する。戦いの中、子供たちの成長を見極めたグレネイダーは、子供たちを残して零たちと旅立つことを決意する。
「ハーロックについての手掛かりを知らないか」と尋ねる零にグレネイダーは、「まずはガンフロンティアに行け」と助言する。
今回は「999」でお馴染みの、惑星エルアラメインが舞台。
シナリオも機械化人の横暴が描かれていて納得のいく出来栄え。
グレネイダーがゲームと違ってキャラクターに深味が増していたのが良かった。典型的松本キャラっぽい熱血少年も好感が持てる。
作画のクオリティが元に戻って一安心。演出もパースを多用していていい感じ。でも、ちょっと構図がおかしいところもあったけど。
副長のヒステリーがパターン化してきて、なかなか微笑ましい。
しかし、ラストの焼酎一升瓶イッキ飲ませは、ちと問題あるぞ。アルコールも薬物だから致死量があるんだぞ。そこんとこよろしく。
第5話
トチロー・不滅のサムライ
(2001.08.04)
大宇宙の分岐点、惑星ヘヴィ・メルダーのガンフロンティア。そこにはハーロックを追う女賞金稼ぎシルビアーナがいた。グレネイダーの情報を元に、シルビアーナを探すため、偵察隊が編成された。零はクルー同士のコミュニケーションを図るため、機械化人も同行させる。
そんな頃、ガンフロンティアの酒場にハーロックの親友トチローが現れる。シルビアーナはトチローを挑発し勝負を挑もうとするが、日本刀一閃で服を切られ、撤退する。
火龍の偵察隊はシルビアーナ宅を訪ねるが、「ハーロックに会うためには手形台地を守る大ステーキ牛を倒すのよ」と、偽の情報を教えられる。偵察隊は大ステーキ牛を怒らせてしまい、ガンフロンティアの町は大騒ぎに。騒ぎに巻き込まれたトチローは、バズーカ一発で大ステーキ牛を仕留めるのだった。倒れ行く大ステーキ牛の下敷きになり、ガンフロンティアの町はメチャメチャに。
偵察隊が起こした騒ぎを収集するため、零もガンフロンティアへと向かう。
トチローはシルビアーナの色香に騙されて捕まってしまい、貼り付けの刑に。絶体絶命の危機に現れたのは、ハーロックのデスシャドウ号だった!
今回は松本ワールドではお馴染みの惑星ヘヴィ・メルダーが舞台。しかもメインとなるのはハーロックとトチロー縁の地ガンフロンティア。ここぞとばかりに「ステーキ」「白目の牛」「縛り首」など、松本作品らしさが大爆発。ハチャメチャな一話となりました。
3代目トチロー声優の西村朋紘もいい感じ。
「覚悟はいいな?」「いいはずないが、どうにもならん」
などと、独特なトチロー節を見事に演じてくれました。まだ多少の違和感はあるものの、この調子ならすぐに慣れてくれるでしょう。
新キャラ、シルビアーナもうまく溶け込んでますね。ゲームではどうしようもない役だっただけに、嬉しいです。
ラストカット、デスシャドウ号の艦首に立つハーロックはハッタリかましてて微笑ましくもあり、カッコ良くもあり……。落ちたらどうするんだろう?
作画も安定していてよかったですね。
第6話
我が友ハーロック
(2001.08.11)
「俺の親友を貼り付けにした礼はさせてもらう」と、デスシャドウ号から独り降り立つハーロック。ハーロックがシルビアーナたちをおびき寄せ、その間にエメラルダスがトチローを救出する……はずだったが、トチローが捕まった理由を聞くと怒ってそのまま帰ってしまう。
卑怯な手段を色々使いハーロックに挑むシルビアーナだが、どうやってもかなわないと解ると「今日のところは勘弁してあげるわ」と撤退する。
町を壊したのがトチローだということを知ったハーロックは「トチローがしでかしたことなら俺は命を賭けてでも償う」と、町人に酒をプレゼントするのだった。
このスキをついて火龍の偵察隊はトチローを捕らえる。声に反応する爆弾をトチローの体に付け、ハーロックをおびき出す偵察隊。助けに来たハーロックに「罠だ!」と叫んで危機を知らせるトチロー。しかし爆弾は爆発はしない。汚い手口に怒ったハーロックの前に現れる零。零は部下を殴り、恥ずかしくはないのかと叱責する。「一杯やって水に流そう」というハーロックの誘いに乗る零。
酒場で互いの信念を語り合うハーロックと零。機械化人の貨物船を襲ったことを責める零にハーロックは「積み荷の中身を知っているのか? 自分で確かめることだ」と諭す。お互い相容れぬ存在と認識しあった二人は、
「正々堂々と戦おう。お互いの持てる力、全てをぶつけあって」
「ああ、男の約束だ。星の海で待っているぞ」
と、グラスを交わしヘヴィーメルダーを後にするのだった。
今回からオープニングが補強されました。紙芝居的な止め絵カットの連続だった部分が動画になり、一安心。しかしまだまだ。更なる補強を望みます。
今回は松本節バリバリのハーロックが微笑ましくもあり、カッコ良くもあり……。それにしても竹本英史氏の声は渋いですね〜。井上真樹夫氏よりちょっと早口なところが気になりますが、渋いからいいです。
今回唐突に登場したエメラルダスにビックリ。トチローとの夫婦漫才もいい感じでした。そして四代目エメラルダス声優はなんと井上喜久子さん! のほほんとしない喜久子さんの演技は久々に聞きます。「若き日のエメラルダス」ってことで、意外とすんなり受け入れられましたね。
第6話の目玉は零とハーロックの会話。う〜ん、「男の世界」ですね。クサイセリフのオンパレードなのに、「これぞ松本作品」って感じでカッコ良かったです。あと、アルカディア号が製作中ってこともわかったので、終盤でその雄姿が観られそう。こちらも楽しみ♪ この会話シーンで流れたベートーベンの「月光」がいい味出してました。「月光」といえば、999劇場版の予告編にも使われていましたね。
キャラ作画が多少崩れていましたが、クオリティはなかなかのものでした。
第7話
信ずるべき道
(2001.08.18)
惑星セレクトの機械化人基地を攻撃するデスシャドウ号。火龍は連邦政府からの救援要請を受ける。ハーロックの意図を探ろうと、なるべく交戦を避ける零。ハーロックは軍事施設を攻撃していたつもりなのだが、地上に機械化人の民間人がいたことで状況は一変する。デスシャドウ号は撤退、火龍は惑星に降りて救助活動に当たる。クルーは「なぜもっと早く攻撃命令を出さなかったのか」と零を責める。
そんな中、副長マリーナは不思議な気配を追ってメインコンピュータルームへ。そこには謎の美女が待ち受けていた。マリーナは謎の美女の攻撃に倒れてしまう。目を覚ましたマリーナは仕掛けられた爆弾を見つけるが、それを外した途端にメインコンピュータルームが爆発してしまう。
火龍にも戦闘機があるのかぁ……。う〜ん、コスモタイガーを彷彿させるなー。
ハーロックは誰かの情報に騙された感じ。ちょっとおマヌケさん。
いよいよヘルマザリアの妹、ヘルマティアの登場。肝心のヘルマザリアの登場はあるのか気になるところ。ヘルマザリアといえばメタノイド。平成松本ワールド共通の大敵メタノイドの登場は、今後の展開を左右することでしょう。そしてその背後にいるであろうダークィーンの存在。はたしてどうなることやら……。
第8話
マリーナ永遠の思い
(2001.08.25)
零はマリーナを助けるために炎上するメインコンピュータルームへ。マリーナを抱き起こす零。破れた服から覗いたマリーナの身体は半透明……そう、機械化人だったのだ。その時爆発が起き、零はマリーナをかばって負傷してしまう。
医務室で治療を受ける零は、ドクターにマリーナの正体を他のクルーに話さないよう頼むのだった。今までずっと正体を隠してきたマリーナの苦悩を思う零。
その頃マリーナは部屋を抜け出し、謎の美女ヘルマティアと対峙していた。遥か昔にヘルマティアに出会っていたことを思いだすマリーナ。マリーナの故郷の星ミライセリアは、温暖化のために壊滅の危機に遭ったのだ。その時ミライセリアの人々に機械化を勧めたのがヘルマティアたちだったのだ。
ヘルマティアは一瞬のスキをつき脱出。マリーナはメインコンピュータ爆破の犯人と疑われて火龍を追われる。宇宙艇で飛び出し、漂流するうちに故郷ミライセリアにたどり着いてしまう。しかし故郷は死の星と化していた。両親の幻影に抱かれて死に逝くマリーナを助けたのは駆け付けた零だった。
「俺と一緒に生きてくれ!」
二人で見上げた空には火龍の出迎えが……。
今回は一部作画の乱れが……。
前回はセリフが少なくて気付かなかったけど、ヘルマティア役の人、ヘタ。
逆に杉田さん、もとい、松山鷹志氏の声は渋い! クウガを思いだすなー。
それにしても、この作品のテーマって、機械化人と人間の共存だったの?
まぁ、現実的に考えると「憎しみは憎しみを呼ぶだけだ。どこかで絶ち切らねば」ってことなんでしょうけど、この場合その理屈は当てはまらないんですよね。機械化人にとって人間はエサなんですよ。だから侵略してくるんです。人間の命の火を食べないと死んじゃうんです。ただの「戦争に勝った側」と「負けた側」じゃないんです。
でも機械化人にも2種類いて、マリーナたちは無理矢理機械化された犠牲者なのだ、というのはわかるんですよね。そーゆー人たちって、機械化の際に命の火を抜き取られた人なんで。まだそこら辺が描かれるだろう伏線は感じられるので、とりあえずは安心なのですが、松本零士氏は時々御自身の作った設定をド忘れるので、そこら辺が心配です。
今回のラストの零のセリフって、プロポーズ? いくら元奥さんにそっくりだからって、そりゃあマリーナさんに悪いですよ。ちゃんと分けて考えてますか? ハイ、ならよござんす。
で、来週は、メメメ、メーテルですかー??
第9話
悲しみの星
(2001.09.01)
地球総督府は何隻ものデスシャドウ号のダミーを使って人間狩りをしていた。無数のデスシャドウ号に囲まれた火龍の前に、ついに謎の巨大宇宙船がその姿を現した。
宇宙船の中ではヘルマティアが謎の男に「零はハーロックを倒すためにまだ利用できるから殺すな」と進言していた。無数のデスシャドウ号を吸収した謎の巨大宇宙船は惑星テクノロジアを目指してワープしていった。
一隻残ったデスシャドウ号は、氷の惑星オルバース上空で狩った人間の抜け殻を投棄していた。火龍は偽デスシャドウを撃沈し、オルバースへ降りる。そんなクルーの前に抜け殻となった人たちが襲い掛かってきた。仕方なく迎撃するグレネーダー。そして零たちは投棄された人の山に祈りを捧げる青い衣をまとった女性に出会うのだった。
彼女の名はメーテル。メーテルはは零に語る。「人はなぜ永遠の命を求めるのか。その先にあるのは悲しみと絶望だけ」と。零は「この闘いの先には希望があると思っている」と答える。零の言葉を聞いたメーテルは機械と人間の調和を目指す建造中の小さな星、テクノロジアの存在を教える。メーテルは「今度出会うとき私の服は悲しみの黒に染まっているかもしれない。でもどんな旅になっても、あなたを、希望を信じましょう」と言い残すと、銀河鉄道999に乗って旅立っていった。
その頃地球では連邦政府のデータを盗みだした議長が、一人反乱を起こしていた。議長は、黒幕である謎の宇宙船ヘルキャッスルの存在とテクノロジアの位置を零に伝えて死んでいくのだった……。
唐突なデスシャドウ号の大軍の出現にちょっとげんなり。トチローが精根込めて作った戦艦が、いとも簡単にコピーされるなんて……。
でもまぁ、ようやく予想していた展開になってきて一安心。
それにしても今回のメーテルは青ですかー。前作「メーテルレジェンド」では白だったので、青の衣装は、最終的な喪服との中間の時期ってことなのでしょう。母親を機械の体にされ、悲しみの涙で青くなっちゃったんでしょうね。
「メーテルレジェンド」から引き継いでいる2代目メーテル声優、雪乃五月はなかなかいい感じ。名優池田昌子の後任は荷が重すぎると思うけど、「若かりしころのメーテル」なら演じられそう。微妙なイントネーションをよく再現していると思います。でも決定的に“声が軽い”んですよね。まぁ、それも歳を重ねれば解決することでしょう。
それにしても議長、勤務中に酒飲むなよー。とか思ってたらお亡くなりになった。合掌。
第10話
銀河の涯
(2001.09.08)
テクノロジアへ向かうヘルキャッスルは、進行方向の惑星を吸い込んで行く。ヘルキャッスルの力に慢心する銀河総督を冷ややかな目で見るヘルマティア……。
同じくテクノロジアへ向かう火龍。副長の情報により、テクノロジアへの航路が判明。しかし、ワープ航路を確保するためには銀河鉄橋を通らなければならない。隕石群の危機を機械化人の操縦技術で乗り越える火龍。クルーの信頼関係が深まったのも束の間、銀河鉄橋の磁気嵐で機械化人が狂いだす。ドクターは自らの身体と機械化人クルーの動力を停止し、全てを零達に託した。
副長はこのルートをハーロックに聞いたことを明かす。一堂愕然とするが、数々の危機を乗り越え、ついにテクノロジアが眼前にその姿を現す。
今回はキャラ作画がひどかった。とても松本キャラには見えない……。
ちょっとした「繋ぎ」のエピソードだったので、盛り上がりに欠けたんですけど、「宇宙モノ」の雰囲気を堪能できましたね。ヤマトを思い出しました。
でも、今までハーロックを探していたクセに、通信で連絡付いちゃうって、どーゆーことよ?
第11話
大テクノロジア
(2001.09.15)
停止させていた機械化人を作動させ、銀河鉄橋でズタズタになった火龍を修復するクルーたち。
ヘルキャッスルではヘルマティアが銀河総督をたぶらかして進撃を続けていた。
そんなときハーロックから火龍に通信が入る。
「協力してヘルキャッスルと戦おう!」
零はその申し出を断る。口ではいがみ合っている二人だが、お互いを信頼しあい、共通の敵を前に心の中で結束を固めていた。
火龍最大の武器であるセントエルモ砲は未完成のため、いくらシミュレートしても暴走する結果が出てしまう。仮に撃てたとしても、シールドを含む全システムを停止して砲にエネルギーを充填しなければならない……。
ヘルキャッスルに対抗するためにアルカディア号の製作を急ぐトチローだが、今は時間が足りない。そこで火龍の修復を手伝うことで戦力の増強をと考える。零をうまく丸め込んで、修復に協力するトチローは、未完成のセントエルモ砲に目をつける。構造を分析し、零にアドバイスをするトチロー。
「火龍がシステムを停止している間は、俺達が時間を稼ぐから、セントエルモ砲を撃て!」
マリーナが自分の同族だと知った銀河総督は火龍から降りるようにすすめるが、マリーナは火龍に残ることを伝え、自分が機械化人であることをクルーに明かす。そんなマリーナをクルーたちは温かく受け止めるのだった。
今回は作画が気合入ってましたね。
結束を固める人間と機械化人ですが、左手の握手って「絶交」じゃなかったけ?
トチロー大活躍で、ファンのワタシには嬉しいかぎり。「やめれ」とか細かい口癖が行き届いていて、まさに「トチロー」でした。
久々の副長のサービスシーンと、ラストのラブシーンは蛇足だと思いますけど……。
第12話
終りなき闘い
(2001.09.22)
ヘルマティアは銀河総督をそそのかし、ヘルキャッスルと一体化させる。総督は火龍に的を絞り攻撃を開始する。テクノロジアの盾として待機していた火龍だが、それが裏目に出て多くの流れ弾がテクノロジアへ……。マリーナは、自分が総督の誘いを断ったから火龍を攻撃しているのだということに気付く。囮となり、ヘルキャッスルへと突っ込む火龍。猛攻にさらされ、艦内にも被害が及ぶ。しかし機械化人と人間が協力し、消火作業を行ない、なんとか爆発はまのがれる。ギリギリまで近付いたところで、ヘルキャッスルが攻撃の瞬間に0.13秒重力波を切っていることを突き止める。零は次の攻撃の瞬間に攻撃を集中するようハーロックに頼むのだった。
盛り上がってきましたね。
巨大な機動兵器に立ち向かう一隻の戦艦。構図的に「さらばヤマト」を彷彿とさせました。
しかし相変わらず人間と機械化人の協力が美化され、「この火龍こそ未来の地球の姿かもしれん」……と。もう「人間はエサ」という設定は消えてしまったのですね。残念。
ちなみにみなさん、テクノロジアぜんぜん守られてないよ。住人死にまくってますがな。
NYのテロ騒ぎで、どうしても戦闘シーンに敏感になってしまいますが、まぁ、サイエンスフィクションとして割り切って楽しみたいと思います。実際、燃えるシチュエーションなんですよね、物語的に。とくに今回、いいとこで終わっちゃって。最終回、楽しみです。
第13話
誓い
(2001.09.29)
0.13秒のスキをつき一斉攻撃する全艦。ヘルキャッスルを貫いたかに思えたが、自己増殖のスピードに追い付けず、ダメージを与えられない。
零はセントエルモ砲の使用を決意し、総員退艦命令を出す。しかしクルー全員がその命令に反対する。一致団結してセントエルモ砲の発射準備にとりかかるクルーたち。
ハーロックに回線をつなぎ、発射までの時間稼ぎを頼む零。ハーロックは「共に闘えてよかった」と告げると、アルカディア号の進路をヘルキャッスルへと向けた。
全システムをカットし、セントエルモ砲の充填を開始する火龍。火龍を守って散っていくハーロックの僚艦たち。無防備な火龍はヘルキャッスルの攻撃に傷付き、クルーが一人、また一人と倒れていく。トチローのアドバイスを思いだしたマリーナは、身を挺して冷却装置を作動。充填が完了し、ついにセントエルモ砲が火を吹く。崩壊するヘルキャッスル。脱出したヘルマティアは「いいデータが取れた」と、戦域を離脱する。
――「敵は倒したが、まだやり残したことがあったな。俺を捕まえるんじゃなかったのか?」
「お前の容疑は晴れた。それに捕まえておくには少し惜しい」
「軍などやめて俺たちと来ないか?」
「いや、俺は地球の再建をはかる。俺には俺しか出来ないやり方があるはずだ」
「……そうだな。お前には海賊は無理だ」
「お前にも軍人は無理だ……また会おうハーロック、トチロー!」
「さらばだ……友よ!」
アルカディア号とクイーンエメラルダス号は宇宙の彼方へ、そして火龍は“地球の明日”へと旅立っていくのだった。
いや〜、ついに終わってしまいました「コスモウォリアー零」。最終回だけあって作画も安定し、話の方も往年の松本アニメを思わせる熱血な展開を楽しむことが出来ました。
この闘いで若き日のハーロック、トチロー、エメラルダスが死ぬはずもなく、やはりお亡くなりになったのはポッと出の新キャラさんでした。まぁ、そうでもしないとヘルキャッスルの驚異は演出できなかったでしょうから、止むを得ないことなのでしょう。彼には希望通りに零と酒を飲ませてやりたかったのですがね、残念。
犠牲は一人で済んでレギュラーは全員生き残り、ヘルマティアの引き方は続編を予感させるものでした。案の定、ビデオ最終巻にはテレビ未放映エピソードが収録されるそうです。
なんだかんだ言って楽しいシリーズでした。最近の松本作品は、漫画よりアニメの方が面白いですね。来年のヤマト復活を心待ちにし、今は筆をおくとしましょう。
This is only the Beginning !もどる