【フェデラー最強説(仮):選手紹介】
※このページの内容は2005年時点のものです。
その後メンテナンスされていませんので情報が古いことはご了承下さい。(2011年2月2日)




ロジャー・フェデラー
国籍:スイス
生年月日:1981/8/8


史上最高のオールラウンドプレイヤーと名高い選手。
テニス界では、解説者がわりと簡単に「史上最高」という言葉を使うので
あまり当てにならないことが多いが、この選手の場合は間違いなく本物だろう。

デビューからしばらくは、そう衝撃的な活躍をするでもなかった。
2001年にウィンブルドンでサンプラスに勝利してから名前が知られるようになった。
2003年にはウィンブルドン優勝を果たすが、それでもまだ「芝生に適した選手」程度でしかなかった。

そして2004年、驚きの大ブレークを果たす。グランドスラム3大会制覇、年間勝率90%達成 etc.
その強さは2005年になっても変わらなかった。
プレーの内容も確実なので、この強さが一時の勢いだけでないことは明らかだ。
今後、更に数々の記録を作り続けてくれるであろう。

サーブは最速ではないがバリエーションが豊富。
ネットダッシュにもストロークにも繋げられる汎用的なサーブだ。
セカンドサーブも多彩で、フラット系もスピン系も効果的に打ち分けることができる。

ネットプレーは現役では3本の指に入るレベル。特にミドルコートでの動きが素晴らしい。
通常ミドルコートはデッドゾーンと呼ばれる。
ボールが一番強くバウンドする場所なので、テニスではポジションを取ってはいけないとされる部分だ。
そのためネットプレイヤーはできるだけ速くデッドゾーンを通過してネットに付かなくてはならない。
しかしフェデラーはデッドゾーンでもボールをしっかりと返すことができる。
相手に強打させない組み立てや、前に出るタイミングがずば抜けているということになるわけだが、
これにより、流れの中で非常に綺麗にネットダッシュをかけることができる。
エドバーグサンプラスに比べれば、前方へのダッシュ力やボレーそのもののスキルは劣るのかもしれない。
しかし、このミドルコートでのスキルがあるために誰にも負けないネットプレーを獲得しているのである。

ストロークは、特にフォアハンドが強烈だ。クーリエばりの逆クロスは精度が素晴らしく、
カウンターショットハードヒットも同じスイングから繰り出すことができる。
状況に応じて様々なスピンを打ち分け、深い球や浅い球も自在にコントロールできるのでラリーで打ち負けることがほとんどない。
フォアに比べ、片手打ちのバックは威力に劣るが、コントロールは充分で、リターン、パスに力を発揮する。
ストローク戦においても、機をみての強打で難なくエースを取ることができる。
また、得意のスライスでパスを決めるあたり、レンドルを彷彿とさせる。

現在男子テニスでは、ネットダッシュに特化した選手はほとんど見られず、
ほぼ誰もがストローク戦を主体とし、チャンスでフォアに回り込むスタイルをとっている。
そのためオールコートをカバーするフットワークは必須のスキルだといえる。
フェデラーも例に漏れず現在の水準に達する充分なフットワークを持っている。
動きの軽妙さではトップクラスであろう。




レイトン・ヒューイット
国籍:オーストラリア
生年月日:1981/2/24


フェデラー登場以前に一世を風靡した選手。
ストローカーでありながら速いコートを得意とする新しい時代を感じさせる選手だった。

2000年に入り、しばらくトップに君臨していたが、その後一時低迷する。
現在はまた復活してきたが、フェデラーにその座を奪い取られてしまった形だ。

その特徴は、精神力の強さに尽きる。集中したときの粘りは脅威ともいえる。
ただ、体に恵まれているとはいえず、筋力をフルに活用してプレーするタイプなので
調子を崩したときや体に負担がかかった時ににどう影響するかという不安もある。
体に無理をかけないフェデラーのプレースタイルとは決定的に違う部分だ。

サーブはかなり速い。この上背の選手でも200km/hを連発できる時代なのだ。
現在の水準では、ネットプレーをそこそこ使いこなすのが当たり前だと言えるが
その意味ではヒューイットも無難にこなせる選手だといえるだろう。

ストロークの武器はやはりフォアハンドだ。
フェデラー以上に強引に回り込み、逆クロスへの広角ショットを決め球とする。
他の選手と違う点は、フォームが徹底的にオープンスタンスであることだ。
オーストラリアは代々ネットプレイヤーを生み出してきた国だが、
そこで培われた伝統をそのまま活かしてるといえる。
両手打ちバックハンドは精度は高いがフォアよりは強くない。

足は速い。現在最速ともいえる選手だ。
サンプラスアガシは、ヒューイットのスタイルをチャンと重ねた。
それほど素早く動き回る選手である。もっともショットのパワーはチャンよりも遥かに強い。




アンディ・ロディック
国籍:アメリカ
生年月日:1982/8/30


常にテニス界を牽引してきたアメリカの、次代を担うスター選手。
何といっても155mph(249.4km/h)最強サーブを持つ選手として名高い。

かつてサンプラスがセカンドサーブを200km/hで打ったときには驚愕させられたが、
ロディックは更に上を行き、220km/hをも平気で記録する。
ただ、スピードは申し分のない素晴らしいものだが、バリエーションや、
サーブを起点とした攻撃の流れといった部分ではまだ改良の余地があるかもしれない。

ストロークも強烈で、やはり例に漏れずフォアの逆クロスが必殺技だ。
ただし、トップスピンが多くかかっているので、伸びのある球というよりも、
フルスイングのパワーで押し込む感じになっており、少々荒い印象を与える。
両手打ちのバックハンドはフォアよりも弱く、フェデラーヒューイット以上にフォアとの差を感じさせる。
このため、フォアで決められないときには打つ手無しになってしまう。

ネットプレーはなかなか上手い。
もっとサーブアンドボレーを使ってもいいような気もするが、
まだそこまでは自信がないのかもしれない。

ロディックはパワー型の選手というイメージが強いが、チャンに憧れた選手だった。
そのためか、押し込まれても果敢にボールを拾う粘りのテニスも見せる。
フルセットになっても体力が落ちないのは凄いが、フットワークにもかなり自信があるようだ。
もう少しペース配分やテクニックを身につければかなりの成績が期待できる選手だろう。
未完の大器である。




マラト・サフィン
国籍:ロシア
生年月日:1980/1/17


現在唯一フェデラーに匹敵しうる選手ではないだろうか。その隠された才能は凄まじい。
しかし、イバニセビッチ並みに好不調の激しい選手でもある。

ここに挙げた選手たちの中では一番早くランキング1位に就任した。グランドスラム獲得も最も早い。
今、最強のフェデラーを倒せるのは、本気になったサフィンしかいないと言われる。
しかし、それほどの選手でありながら不調時があまりにも多すぎる。期待を裏切る回数も実に多いのが難点だ。

サーブロディックに匹敵するほど速いものを持っているが、メインはスピンサーブであり、平均速度は落ちる。
しかし、そのため逆にストローク戦に持ち込むにはより有効なスタイルであるといえる。

ストロークは、フォアよりもバックのほうが強い。現在のトップ選手としては少数派だ。
特に、片足で飛び跳ねながら高めの球を強打するショットはジャックナイフと呼ばれる必殺の武器だ。
一方フォアは、威力そのものは充分で、他の選手に引けを取らないものだが、
バックに比べるとミスショットが多い。

ネットプレーにも積極的で、サーブアンドボレーをこなす。
ミスもするが、グラスコートでのサービスダッシュの頻度など、むしろフェデラーよりも多いかもしれない。
この辺、スタイル的にレンドルを思わせる選手である。

大柄な選手なので、俊敏に走り回るタイプではないが、追いつきざまのランニングパスは素晴らしく
ストローク戦の強さを考えても水準以上のフットワークを持っているのは間違いない。




ファン・カルロス・フェレーロ
国籍:スペイン
生年月日:1980/2/12


クレーコート巧者を多く生み出したスペイン出身の選手。
それまでのクレーコート巧者といえばほとんどが山なりのトップスピンを武器としていたが、
フェレーロストローク非常にシャープである。観ていて気持ちがいい。
ロディックヒューイットのストロークよりもフラット気味で、
スペイン人として始めて1位になったモヤの系統を受け継いでいるといえるだろう。
ただ、ストロークは威力充分だが、組み立てがやや一本調子で、そこに改善の余地があるように思える。
ドロップショットを得意としていて、それに関しては随一の上手さといえるが、
もっと緩い球や広角への打ち分けも多用するべきだろう。
それが災いしてか、最近はしばらく勝てない状態が続いている。
少なくともクレーコートでは第一人者になるかとも思われたが、ナダルに完全にその座を奪われてしまった。
サーブがあまり速くないのが難点とされているが、足が速くネットプレーもまずまずこなすので、
クレーコート以外でも充分に勝てる要素を持っている。復活を待ちたい。




ラファエル・ナダル
国籍:スペイン
生年月日:1986/6/3


2005年に突如ブレークした新星。特にクレーコートでは絶大な強さを誇る。
以前から注目されていた選手ではあったが、ここまでブレークするとは予想しなかった。
フェデラーがいなければ更なる大注目の選手だっただろう。

ビランデルは、ナダルボルグに近い選手だと表現している。
現代テニスには珍しい粘り型の選手だ。足はボルグよりも更に速いように思える。
パワー型ではないがカウンターショットが上手いので、ハードなどの速いコートでも適正はありそうだ。
ムスターのように完全にクレーコートだけの選手になる方法もあるだろうが、
今のナダルを観ている限りそうはならいだろう。ハードコートの大会にも積極的に参加している。

ベッカーは、2005年の全仏でフェデラーではなくナダルが優勝すると予想した。
結果はその通りになったわけだが、その時のコメントは以下のようなものだった。
「フェデラーも素晴らしいが、ナダルが勝つだろう。クレーでのナダルは私よりも強いと思う。」
コメント自体悪くないし、その通りになったのだから別に構わないといえば構わないわけだが、
クレーコート巧者ベッカーを比べちゃいかんと思ってしまった。


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