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au-saga's Colum
サッカーの時間・9

 

優勝候補と言われていたチームがぼこぼこ負けていますね。
フランス、イタリア、ポルトガル、アルゼンチン・・・
これら優勝候補を応援していた人々にとってたまったものじゃないでしょうが
純粋に試合を楽しんでいる人間としては
俄然面白くなってきた感があります。

一方でスペインやブラジルのように
早々と決勝リーグ進出を決めてしまった国もあります。

しかしブラジルはいけませんね。
中国との試合後、ユニフォームの交換を拒否したらしいですね。
ラグビーでもノーサイドという言葉があるように、
相手がいなくては成り立たない競技なのですから
試合後は相手をたたえるべきだと思うのです。
ロッカールームにまで追いかけていって
強引に交換してもらった中国選手もいたようですが、
私個人としてはブラジルの傲慢さが気にかかります。
まあ、そこがブラジルっぽいところでもあるのでしょうね。

しかし、ブラジルは強いですよ。
そりゃもちろん強い。
しかしその強さが、大会前の悪評を振り払うほどの本当のものかどうかは
まだまだ疑わしい部分があるように思えるのも事実です。
というわけで今回のサッカーの時間は、まだ取り上げていなかった
ブラジルのシステムに焦点を当ててみたいと思います。

今大会のブラジルは予選で苦しみました。そこで苦肉の策として、
思い切って伝統の4バックを捨て、3バックを採用しました。
これについては疑問視する意見もあったようですが、
しかし、結果的にはいいほうに機能しました。

ここ最近のブラジルの弱点はセンターバックと右MFでした。
守備力は2人のボランチとサイドバックの運動量でカバー、
右サイドのMFには左利のリバウドを強引に入れて対応、
と言う感じでかなり無理のあるシステムだったように思えました。

しかし、まず最終ラインですが、
近年は欧州で活躍する選手が増えていつの間に人材は揃ってきてたんですね。
世界最高とまでは言わないまでもいい選手は結構いるので、
そういう選手を並べて守備を固めることにしました。
枚数も2人から3人にすることで結果的に守備力は増しました。
また、自慢の両サイドバックにはなんの問題もありません。
攻撃力も抜群なのでウィングバックとしても十二分に機能します。
で、ウィングバックをつけたことにより、
右MFの役割もカフーが担うわけですよね。
つまり弱点だった右MFのポジションには無理に人を置く必要がなくなったのです。

いい感じで弱点が克服されていったのですが、
それでもいくつか心配があります。

まずDF。
スタメンはルシオ、ホッキ・ジュニオール、エジミウソンの3人で、
いずれも欧州で活躍する素晴らしい身体能力を備えた選手です。
中でもドイツのレバークーゼンで活躍するルシオは注目度満点で
強さ、速さに加え、ディフェンダーとは思えぬ攻撃力を備えており、
セットプレーでのヘッドはもちろん、ドリブルで持ち上がったり、
ミドルシュートを打ったり、果てはオフサイドラインぎりぎりを飛び出したりと、
見ていて飽きさせない見事なプレーをする選手です。
しかし、それはクラブチームでの話で、
ブラジル代表では過剰な上がりは抑制されているらしく、
どうもただのいい選手としてのプレーに終始しているような気がします。
また、ラインを統率するタイプの選手がいないのもやや不安な部分ではあります。

続いてMFです。
3バックにしたということは、サイドの枚数が減ったということですから、
効果的なサイド攻撃を仕掛けないといけません。
そのためにはボランチとして中盤を支配する役割が重要になります。
この点については問題はありませんでした。大会直前までは。
エメルソンが余計な怪我をして帰国するまでは。
まあ、そこは流石ブラジルで、代わりの選手も皆いい選手なのですが、
やはりエメルソンの不在は大きいと思います。
初戦のトルコは組織的に来るタイプじゃなかったのでまだ互角に戦えましたが、
もっと戦術的に洗練されたチームならどうでしょうか?

最後に攻撃陣です。
ロナウドはやはり凄いですね。これはもう認めます。
どうしても好きになれないんですが、
凄すぎて好きになれないんですね。
まだ調子は7〜8割程度だとは思いますが、
それでも他をぶち抜くスピードは見事です。
しかもテクニックも化け物ですからね。
で、2トップのもう一人にはなんとリバウドが入っています。
これは驚きでした。
もちろんリバウドの能力ならばFWとしても世界最高級です。
今のブラジルの2トップが世界一なのは認めます。
しかし、折角3バックにしたのならリバウドはトップ下で使い、
2トップのもう一人にはアモローゾやエウベルを使って欲しかったように思います。
リバウドと言えば誰がなんと言おうと、
あの化け物じみたテクニックと想像力満点のプレーでしょう。
FWとしての出場だと、もちろん点を決めればそりゃ凄いということになるのでしょう
が、
特有のファンタジーが抑制されているような気がしてなりません。

私にとってブラジルといえばリバウドとルシオを見る、ということでしたからね。
どちらも持ち味を出し切っていないんで少々煮え切らない気分です。

まあ、強い所はわかっているのですから、
あえて弱点を頭に入れて見るのも面白いかもしれません。
ブラジルは決勝トーナメントではまずH組とあたりますからね、
今から研究しておいても損はないでしょう。

まあ、研究したところで勝てる相手ではないですが。

2002.06.11

 

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