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au-saga's Colum
サッカーの時間・15

 

今回は、ベスト8で韓国とあたる
スペインを取り上げてみましょう。

まずシステムですが、
現在の標準である4-4-2を採用しています。
監督はカマーチョで、全体的に
チーム戦術よりも個人能力を活かすプレーが目立ちます。
見ていて面白いチームの一つです。
もともと強かったのですが、
お国柄からか国民の代表への思い入れは薄く、
いつも前評判のみで終わるため、
万年優勝候補などと不名誉ないわれ方をするチームです。
今回はどうでしょうか?

大会前にスペイン代表が発表されたとき、
メンバーを見てとても気になった部分がありました。
センターバックの人選です。
スペインは他のポジションには人材がいるのですが
ことセンターバックに関しては若手が伸びていない、
これはもう有名な事実でした。

今回はイエロとナダルが選ばれました。
この2人、年齢は30歳を大きく超えており、
全盛期は過ぎてしまった選手です。

ただし2人とも歴史に名が残る素晴らしいDFです。
イエロはその強烈なキャプテンシーで
スペインとレアル・マドリードを支えてきた選手です。
プレースキックの名手で、
DFでありながらPKやFKから何本もゴールを決めています。
今回もPKキッカーを任されています。
一方のナダルはずば抜けた身体能力を持ち、
どんなスポーツをやっても必ず大成しただろうと言われた選手です。
最近はセンターバック専門ですが、
全盛期はサイドバックやボランチ、センターフォワードまでやりました。
ヘッドが強く足技も巧みです。

こういった2人なので、全盛期でないとはいえ、
若手が伸びていない現状では無難な人選だと感じさせました。
しかし、問題はその他の選手です。
なんと今回カマーチョ監督が選んだセンターバックは、
この2人だけなのです。
こんなカードをもらいやすいポジションなのに・・・
万が一怪我でもしたら・・・
ゴールキーパーでさえ3人いるのに・・・

たしかにボランチのエルゲラもセンターバックはできるし、
サイドバックのプジョルもセンターに入ることができます。
バックアップ選手がいないわけではありません。
しかしそれにしても、よっぽど2人に対する信頼度が高いのでしょうか?
少々不安な人選であることは事実です。

ちなみに今までの4戦では
イエロ、ナダルのコンビが2戦
イエロ、エルゲラとナダル、エルゲラが1戦ずつと
エルゲラをセンターバックの準レギュラーと考えているようではあります。

その他のポジションについてはほぼ穴はないでしょう。
GKは例のオーデコロンの件でカニサレスが離脱しましたが
代わりのカシージャスでなんの問題もありません。
両サイドバックも層が厚く、
FWはラウルを筆頭にディエゴ・トリスタンやモリエンテスがいます。
強いて言うならMFのスタメンが固まっていないことが第2の不安でしょうか。
それでも選手の層は大変厚く、
どのメンバーでも充分戦えることは間違いないです。

バレロンは右サイドの最有力選手で
テクニックとゲームメイクに優れボランチもできます。
ルイス・エンリケはチームを鼓舞するベテラン選手で、
左右どちらでもでき、FWやサイドバックにも入れるという、
監督にとって非常に貴重な選手です。
その他にもいい選手がいっぱいいます。

そしてスペインMFの中で、私が最も注目する選手がいます。
ガイスカ・メンディエタです。
MFならどこでもでき、
サイドバックやセンターバックさえこなしたことがあります。
能力が非常に高く、精力的に動ける上、
ドリブルからフィニッシュまであらゆる仕事をこなします。
中でも特にパスセンスに非常に優れ、
右足の精度はベッカムに匹敵するとさえ言われます。
この選手は今シーズンイタリアに渡りましたが
チーム戦術に今ひとつフィットせずベンチを暖めることがほとんどでした。
そのためか、最近のスペイン代表の試合でもベンチスタートが多いようで、
今大会でもスタメンは1度だけです。
ただ、あらゆるポジションがこなせる上に勝負強いということもあり、
大事なところでは必ず投入されるでしょう。
今大会の決勝トーナメント第1戦、アイルランドとのPK戦では、
もっとも重要な5番手のキッカーを務め、
きっちりと決めて見事ベスト8進出を果たしました。

ラウルは韓国戦に出場はするようですが
足を怪我しているようです。
ディエゴ・トリスタンも怪我をしており、
韓国戦はおそらくモリエンテスとラウルの2トップになるでしょう。
ラウルは怪我の上にマークがきついはずで、
攻撃の比重はモリエンテスにかかることになります。
しかし、モリエンテスは得点感覚には優れますが、
ラウルやディエゴ・トリスタンと比べてしまうと
一人で局面を打開するタイプではありません。
FWが攻め手を欠くことが充分に考えられます。
そのときにMFがどのようにプレーするかという点に
注目してみたいところです。

逆に韓国からすれば、
同タイプのポルトガルを破っているという実績があります。
中盤の速い潰しで個人技をいかに封じるかが鍵です。
また攻撃に関しては、速さで勝負できれば
スペインDFを翻弄できるかもしれません。
前線から中盤を含めた攻撃力では
イタリアやポルトガルよりもスペインのほうが上でしょう。
韓国は今までよりも
失点をしない戦いをする必要があるかもしれません。

2002.06.20

 

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