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今回のワールドカップはブラジルの優勝で幕を下ろしました。
史上最弱だとかドローに恵まれたとかいろいろ言われましたが、
なんだかんだ言って終始強いチームの戦いをしていました。
守備が脆いと言われており、
たしかに1次リーグでは崩された場面もありましたが、
最終的にはキーパーもディフェンスも
優勝チームに相応しい守りを見せていました。
特に先制した後の守りは堅く、
トルコ戦やドイツ戦では、
相手がセンタリングを上げようにも
ことごとくがブラジルディフェンスの体に当たり、
成す術なしといった感じを与えていました。
決勝の実況は最後まで、
ブラジルがドイツの高さを如何に防ぐかという言い方をしていました。
しかし、ブラジルのセンターバックのほうがドイツの2トップよりも
はるかに背が高かったという事実を知らなかったというのは
1ヶ月も実況してきていてちょっとお粗末なのではないかという気もしました。
ブラジルの守備力はもっと評価されてもいいように思います。
ドイツはベストの布陣が組めずに苦労したと思います。
ただ、あの未完成の状態で決勝まで進出したというのは
むしろ次回の自国開催に向けて明るい材料なのではないでしょうか?
それにしてもブラジルの攻撃陣、
ロナウド、リバウド、ロナウジーニョの
いわゆる「3R」は見事でした。
ドリブル、パス、シュート、そして、
ボールを持っていないときの動きの質の高さには驚かされました。
準決勝ではトルコのハサン・サスが「3R」に負けないほどの
ドリブルテクニックを見せていましたが、
勝負を決定付ける仕事はできませんでした。
ドリブルでディフェンスを交わすまではいいのですが、
その後にパスが出せなかったのです。
ハサン自身「3R」のように瞬時にパスの出し所を見つけることが
できなかったというのもありますし、
パスを貰うハカンやイルハンが「3R」ほどの
質の高いマークを外す動きができなかったというのもあります。
もちろんそれらはそんなに大きな差ではありません。わずかな差なんです。
しかしその、わずかなパス能力の差、わずかなマークを外す動きの差、
こういった微妙な要素がいくつか合わさることによって
チームとしての強さに違いが出たのです。
結果として、
ワンプレーを確実にものにするブラジルの強さが際立つことになりました。
そしてその「3R」の一人、
今大会得点王、そして間違いなくMVPになるであろう
ロナウドについて触れない訳には行きません。
怪我に泣かされ、2年間をリハビリに費やしてきた選手です。
大会が始まる直前になんとかプレーできる状態になりましたが
ベストコンディションではないといわれてきました。
確かに身体能力自体はベストではなかったかもしれませんが、
それでも試合感を取り戻す早さは異様とも言えるものでした。
以前のような抜群のスピードを見せない代わりに動きの幅を広げ、
むしろプレイヤーとして質を高めたとさえ思えました。
この辺が怪物と言われる所以です。
不遇であった2年間を払拭する活躍、
本番でこそ力を発揮するところなどスターの資格は充分といえます。
ロナウドはブラジルでは国民的な英雄だし、
世界的にも最高峰のストライカーの一人です。
誰一人として今回の活躍に依存のあろうはずもありません。
一般にはこんな感じですよね。
1.ブラジル、予選で苦戦
2.ロナウドがいない
3.史上最弱といわれる
4.予選をなんとか突破
5.本番になってロナウド復帰
6.ブラジル優勝
7.ロナウドは凄い
これ、たしかにあってます。
しかし、しかしです。
問題は「4」です。
ブラジルが優勝するにもまず出場しないことには話になりません。
ブラジルが最終的に予選を突破したとき、ロナウドはいませんでした。
実はこの予選落ちもあるのではと言う危機的状況にあって、
スタメンで使われゴールを量産してブラジルを救った選手が2人いるんです。
フォワードのルイゾンとエジウソンです。
この2人は一応本大会にも選ばれ試合にも出場しましたが、
スタメンを完全に「3R」に明け渡す形となり、
活躍するというまでには至りませんでした。
完全にロナウドの栄光の土台作りをした格好となりました。
しかし、出場するための活躍も優勝への貢献と同じ位の価値はあるはずなんです。
ロナウドは人柄も大変評価されています。
彼は少年時代、サッカーの試験を受けようと思ったのですが、
バス代がなかったために受けられなかったことがありました。
そのため、今では、時間を見つけては自分で足を運び
子供たちのサッカーをできるだけ見てあげるようにしているといいます。
そのような選手ですから手柄を横取りしたなどと
恨まれることはないでしょう。
しかし、その陰では、
目立たずも重要な活躍をした選手がいた
ということを忘れないようにしておきたいものです。2002.07.01
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