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au-saga's Colum
サッカーの時間・18

 

いよいよ大会も大詰めを迎えようとしています。
やはりというか、なんというか、
ブラジルとドイツの決勝となってしまいました。
両チームとも予選であんなに苦しんだのに
本大会でいいとこ取りをしてしまうところがいやらしい感じです。

大方の予想ではブラジル有利とされています。
たしかにあの攻撃力ではそう分析されるのもうなずけます。

ドイツのほうは1点取ってあとはなんとか守るという戦い方で、
選手も疲れてきているような印象を受けます。
ブラジル国内ではブラジルの強さに大騒ぎらしいですが、
ドイツのマスコミのほうは
その決して強いとは言えない戦い方にも
代表選手達にも批判的なようです。

ただ一人、カーンに対する評価だけは例外です。

唐突ですが、本日はカーン特集と行きましょう。

カーンはここ何年か
世界最高のキーパーといわれてきた選手です。
それは紛れもない事実です。

名キーパーと呼ばれるには
必要な要素がいくつかあると思いますが、
カーンにはその全てがあるのです。

まず、「プレーそのものの質の高さ」です。
今大会のスーパーセーブの連続を見れば
その守備能力の高さは充分に証明されています。
また、近代サッカーに必要な足技も充分です。

続いて「キャプテンシー」です。
カーンのキャプテンシーは大国ドイツにあっても充分なもので、
不甲斐ない味方選手を怒鳴りつけてチームに活を入れることもあります。
今大会のサウジ戦は8-0という大勝に終わった試合なのですが、
それでも試合中、若いメッツェルダーを呼んで怒鳴りつけ、
あまりの剣幕に慌てて他の選手が止めに入るシーンがありました。
また一方、状況を冷静に分析してチームをコントロールすることもあります。
準決勝の韓国戦の前に残したコメントは印象的です。
「私たちにも不利な判定が一つか二つあるだろう。
 それはよくあることで、ホームアドバンテージというものだ。
 それにペースを乱されないようにすることが大事。
 審判に抗議しようなんて考えないことだ。
 ゴールが認められないことがあっても、
 さらに1点決める努力をすべきだ。
 2点目が認められなければ、3点目を決めるんだ」
また、判定に激しく抗議したイタリアやスペインの選手たちについては
「審判に気を取られすぎていたかもしれない。
 チャンスにしっかり得点すべきだった」
と話しています。

最後に「存在感」です。
これについては多分に私見も入るのですが、
安定したプレーを見せるというだけでは
世界最高の称号を得られないのではないかと思っています。
イタリアやイングランドのキーパーは皆素晴らしいキーパーですが
最高のキーパーは誰かという問いにあまり顔を出して来ないのも
その辺に原因があるように思います。
カーン以外にも最近ではシュマイケル、チラベルト、バルテズなどがそうですが、
彼らに共通する要素として、思い切った飛び出しや巧みな足技、
ありえないようなスーパーセーブの連発、といったものがあります。
そして何よりも時に見せるイージーなミスがその存在を一層際立たせるのです。
日本でいうならば楢崎と川口の違いでしょうか。
また、点を取られたときの姿も重要です。
点を取られたときにどれだけ絵になるか、
それも名キーパーの重要な条件だと思うのです。
カーンなどはこれについてはもう完璧で、
負けてなおかっこいい姿を見せるのです。

おまけですが、
カーンは株式投資の知識も専門家並みらしいです。
通信教育で経済学を学び、独学で手法を覚えたということです。
テレビの経済番組にアドバイザーとしても出演しているということなので
もう生半可のレベルじゃないです。
自宅のパソコンで最新の株式情報をチェックし、
移動のバスの中では専門誌に目を通しています。
カーンの完全主義は、サッカーだけではないのです。

2002.06.27

 

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